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AI電話対応のデメリットとは?向かない電話と、導入前に決めておく対策

作成者: chai+広報部|Oct 30, 2026, 9:21:05 AM


 AI電話対応(ボイスボット)の主なデメリットは、聞き取りの誤りが起きること、個別の判断や気持ちに寄り添う対応ができないこと、「人と話したい」人に不満を持たれやすいこと、答えられない質問で行き止まりになりやすいことである。ただし、これらの多くは、AIに任せる電話を絞り、答えられないときに人へ切り替える流れを導入前に決めておくことで抑えられる。本記事では、起きやすい問題と向かない電話を正直に整理し、導入前に決めておく対策を解説する。

 

 


AI電話対応の仕組みや、IVR・チャットボットとの違い、選び方のポイントは「AI問い合わせ自動化とは?チャットボット・IVR・AIボイスボットの違いと選び方」で解説している。本記事では、導入を検討するときに知っておきたい弱点の側に絞る。

 

この記事の要点

 

✓AI電話対応には、聞き取りの誤り、個別判断ができない、人と話したい人の不満、答えられない質問の行き止まり、運用の手間、通話データの扱いという6つの弱点がある
✓苦情・謝罪、個別の判断や交渉、命や安全に関わる連絡などは、AIではなく人が受けたい電話である
✓最も大切な対策は、人へ切り替える条件と、切り替えたあとの流れを導入前に決めておくこと
✓チャットボットと違い、電話では回答の根拠を画面で見せられず、長い説明も伝わりにくい。電話に向く用件を選ぶ
✓通話を記録して、答えられなかった用件を見直し続けることで、弱点は運用の中で小さくできる

 

 

AI電話対応の6つのデメリットと対策

 

| 1. 聞き取りの誤りが起きる

 

電話の音声は、周りの雑音、電波の状態、話し方の速さや方言の影響を受ける。特に、人名・地名・商品名・型番のような固有名詞や、数字の聞き取りは誤りやすい。聞き間違えたまま手続きが進むと、予約の日時や送り先を間違えるといった実害につながる。

 

対策:日時や番号など間違えてはいけない項目は、AIが聞き取った内容を読み上げて確認する流れにする。社内の商品名や専門用語は、辞書登録などで聞き取りを補えるかを確認しておく。

 

| 2. 個別の判断や、気持ちに寄り添う対応ができない

 

AIが答えられるのは、登録した資料やルールに書かれている範囲である。規程にない例外の判断、料金や条件の交渉、相手の事情をくみ取った謝罪や説明は、AIには任せられない。無理に答えさせると、誤った約束をしたり、相手をさらに怒らせたりするおそれがある。

 

対策:AIに任せる用件を、資料に答えがある定型の用件に絞る。判断が必要な用件は、最初から人へ切り替える決まりにする。

 

| 3. 「人と話したい」人に不満を持たれやすい

 

急いでいる人や、込み入った相談をしたい人にとって、AIの応答は遠回りに感じられる。「何度言っても人につながらない」状態は、問い合わせそのものより大きな不満を生む。話し終わるまで待たないと返事が来ない方式や、言い直しを受け付けない方式では、なおさら機械的に感じられやすい。

 

対策:「人と話したい」と言われたら、すぐに担当者へ切り替える。会話の途中で話し始めたり言い直したりしても受け付けられる方式かどうかも、選ぶときに確かめる。会話方式の違いは「Full Duplex(全二重)とは?」で解説している。

 

| 4. 答えられない質問で行き止まりになる

 

AIが答えられない質問を受けたときに、「わかりません」と繰り返すだけでは、電話をかけた人は行き場を失う。担当者に切り替えても、最初から用件を説明し直させると、二度手間になる。

 

対策:答えられないときは担当者へ切り替え、AIが聞き取った用件の要約を一緒に渡す。担当者がいない時間は、折り返しの受付に切り替えるなど、必ず次の行き先を用意する。

 

| 5. 導入と運用に手間がかかる

 

今使っている電話システムとの接続、AIに答えさせる資料の準備、人へ切り替える条件の設計など、導入前に決めることは多い。導入後も、料金や営業時間が変わるたびに資料を直す必要がある。直さないまま古い案内を続けると、電話の件数がかえって増える。

 

対策:最初は件数が多く、答えが決まっている用件1つから始める。資料を更新する担当者と時期を決めておく。

 

| 6. 通話データの扱いに注意が要る

 

電話では、名前、電話番号、住所、契約の内容など、個人情報を話してもらう場面が多い。録音や文字起こしをどこに保存し、誰が見られ、いつ消すのか、AIの学習に使われないかを決めておかないと、新たな情報管理の負担になる。

 

対策:通話データの保存場所、閲覧できる人、保存期間を決め、使うサービスのデータの扱いを導入前に確認する。電話の冒頭で、AIが応対していることや録音していることを伝えるかどうかも決めておく。

 

 

AIに向かない電話・向く電話

 

デメリットの多くは、AIに向かない電話までAIに受けさせることで起きる。まず、電話の種類を分けておく。

 

営業時間の案内、予約の受付、照会、資料に答えがある質問、時間外の一次受付はAIに任せやすく、苦情や謝罪、個別の判断や交渉、命や安全に関わる連絡、複雑な本人確認、込み入った相談は人が受けたい電話であることを示した図。 AIに任せやすい電話 営業時間・場所の案内 予約の受付・変更 配送状況などの照会 資料に答えがある質問 時間外の一次受付 人が受けたい電話 苦情・謝罪が要る電話 個別の判断・交渉 命や安全に関わる連絡 本人確認が複雑な手続き 込み入った相談 迷う電話は、人へ切り替える前提で設計する 図1:AIに任せやすい電話と、人が受けたい電話

 

人が受けたい電話 AIに向かない理由
苦情・謝罪が要る電話 相手の気持ちをくみ取った謝罪や説明が必要で、機械的な応答は不満を大きくしやすい
個別の判断・交渉 規程にない例外や条件の調整は、権限を持つ人が判断する必要がある
命や安全に関わる連絡 急な体調の変化、事故、設備の異常などは、聞き取りの誤りや待ち時間が許されない
本人確認が複雑な手続き 確認の項目が多く、聞き取りの誤りがそのまま手続きの誤りになる
込み入った相談 話があちこちに広がり、資料の範囲に収まらない

 

反対に、営業時間や場所の案内、予約の受付や変更、配送状況などの照会、資料に答えがある質問、時間外の一次受付のように、答えが決まっていて件数の多い電話はAIに任せやすい。最初は向く電話だけをAIに任せ、迷う電話は人へ切り替える前提で始めると、デメリットが表に出にくい。

 

 

ボイスボットとチャットボットの違いから見た弱点

 

同じAIでも、電話とチャットでは得意なことが違う。チャットボットでうまくいっている内容を、そのまま電話に移すと弱点が出ることがある。

 

観点 ボイスボット(電話) チャットボット(文字)
入力の誤り 聞き取りの誤りが起きる 利用者が打った文字がそのまま届く
長い説明 耳だけでは覚えにくく、伝わりにくい 読み返せる
回答の根拠 画面で資料やリンクを見せられない 資料名やリンクを一緒に示せる
向いている人 文字の入力が苦手な人、手がふさがっている人 自分のペースで調べたい人

 

電話では、短く答えられる用件を中心にし、手順が長い案内はSMSやWebページで送るなど、ほかの手段と組み合わせることも検討したい。

 

 

導入前に決めておく、人へ切り替える流れ

 

AI電話対応のデメリットを抑えるうえで最も大切なのは、AIが答えないときにどうするかを先に決めておくことである。設計の一例を示す。

 

着信をAIが受けて用件を聞き、資料に答えがある定型の用件ならAIが回答して記録する。答えがない、人と話したいと言われた、感情が高ぶっている場合は、用件の要約をつけて担当者へ切り替え、担当者がいない時間は折り返しを受け付ける。記録をもとに、答えられなかった用件を見直す。 着信 → AIが用件を聞く 資料に答えがある定型の用件? はい いいえ AIが回答する 資料をもとに答え、 通話の内容を記録する 担当者へ切り替える 答えがない/「人と話したい」 /感情が高ぶっている 用件の要約をつけて渡す。 不在時は折り返しを受け付ける 記録を見て、見直す 答えられなかった用件を資料に足し、切り替えの条件を直す 図2:AI電話対応で、人へ切り替える流れの設計例

 

  • 切り替える条件:資料に答えがない、「人と話したい」と言われた、感情が高ぶっている、命や安全に関わる、などをあらかじめ決める
  • 切り替え先:用件ごとに、どの部署・担当者につなぐかを決める
  • 渡す情報:AIが聞き取った用件の要約を担当者に渡し、説明のし直しをなくす
  • 担当者がいない時間:折り返しの受付にするのか、翌営業日の案内にするのかを決める
  • 見直し:通話の記録を定期的に見て、答えられなかった用件を資料に足し、切り替えの条件を直す

 

 

クレーム電話はAIに任せられるか

 

クレームの電話で、判断や謝罪までAIに任せるのは避けたい。一方で、最初に用件を聞き取って記録し、内容を整理して担当者へ渡す「一次受付」はAIに任せられる。担当者は、要件と相手の状況がわかった状態で電話を受けられるため、最初から怒りを浴びる負担を減らせる。

 

ただし、AIの応答が機械的だと、かえって相手の感情を高ぶらせることもある。クレームの一次受付をAIに任せる場合は、早めに人へ切り替える条件を厳しめに設定しておく。カスタマーハラスメントへの対策は「電話のカスハラ対策とは?」で詳しく解説している。

 

 

chai+のAIボイスボットでの対策

 

デフィデ株式会社が提供するchai+のAIボイスボットでは、本記事で挙げたデメリットに対して、次のような対策がとれる。

 

デメリット chai+のAIボイスボットでの対策
聞き取りの誤り 方言や専門用語への対応を、辞書登録機能で強化できる
機械的に感じられる 話の途中から意味を理解して返答を準備するFull Duplex方式(特許第7866289号)で、途中で話し始めたり言い直したりしても対応する
答えられない質問の行き止まり FAQの範囲外の複雑な問い合わせを検知し、有人のオペレーターへ引き継ぐ。転送時に通話内容の要約を渡すこともできる
回答の正確さ RAG(検索拡張生成)で社内の資料を参照して回答する
電話システムとの接続 SIP/VoIPを通じて主要なPBXや電話システムと接続できる(クラウド型・オンプレミス型の両方)
導入の手間 標準的な導入期間は2〜4週間(既存システムとの連携内容によって変わる)。最短3営業日でプロトタイプを作り、自社の業務シナリオで試してから検討できる

 

出典:chai+ AIボイスボットのページ(2026年10月30日に確認)。

 

どの製品を使う場合でも、AIに任せる電話を絞り、人へ切り替える流れを決めておくことが前提になる。業種ごとの使い方は、ボイスボットのページにある業種別の特設ページ(ホテル・レジャー、不動産・建設業、病院・クリニック)で紹介している。

 

 

まとめ:AI電話対応は「任せる電話」と「人へ渡す流れ」を決めてから

 

AI電話対応には、聞き取りの誤り、個別判断ができない、人と話したい人の不満、答えられない質問の行き止まり、運用の手間、通話データの扱いというデメリットがある。苦情や個別の判断、命や安全に関わる連絡はAIに向かない。答えが決まっていて件数の多い電話からAIに任せ、答えられないときに要約をつけて人へ切り替える流れと、通話の記録を見直す仕組みを導入前に決めておけば、デメリットは小さく抑えられる。

 

 

AI電話対応のデメリットに関するよくある質問

 

Q. AI電話対応(ボイスボット)のデメリットは何ですか?

A. 主なデメリットは、聞き取りの誤りが起きること、個別の判断や気持ちに寄り添う対応ができないこと、人と話したい人に不満を持たれやすいこと、答えられない質問で行き止まりになりやすいこと、導入と運用に手間がかかること、通話データの扱いに注意が要ることです。

 

Q. AIに向かない電話にはどんなものがありますか?

A. 苦情や謝罪が要る電話、規程にない個別の判断や交渉、命や安全に関わる連絡、本人確認が複雑な手続き、込み入った相談です。こうした電話は、AIが受けても早めに人へ切り替える決まりにしておきます。

 

Q. AIの聞き間違いを減らすにはどうすればよいですか?

A. 日時や番号など間違えてはいけない項目は、AIが聞き取った内容を読み上げて確認する流れにします。社内の商品名や専門用語は、辞書登録などで聞き取りを補えるかを確認します。chai+のAIボイスボットでは、方言や専門用語への対応を辞書登録機能で強化できます。

 

Q. クレーム電話はAIに任せられますか?

A. 判断や謝罪までは任せず、用件を聞き取って記録し、担当者へ渡す一次受付を任せる使い方が現実的です。AIの応答が機械的だとかえって感情を高ぶらせることもあるため、人へ切り替える条件は厳しめに設定しておきます。

 

Q. AIが答えられないときはどうなりますか?

A. 担当者へ切り替える流れを用意しておきます。AIが聞き取った用件の要約を一緒に渡すと、説明のし直しがなくなります。chai+のAIボイスボットでは、FAQの範囲外の複雑な問い合わせを検知して有人のオペレーターへ引き継ぎ、転送時に通話内容の要約を渡すこともできます。

 

Q. ボイスボットとチャットボットは何が違いますか?

A. ボイスボットは電話の音声で、チャットボットは文字でやりとりします。ボイスボットは文字の入力が苦手な人や手がふさがっている人に向きますが、聞き取りの誤りが起きる、長い説明が伝わりにくい、回答の根拠を画面で見せられないといった弱点があります。電話では短く答えられる用件を中心にするのがおすすめです。

 

 

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