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営業の提案書づくりにAIを活用する方法|下書きの作成から、部長の観点でのレビューまで

作成者: chai+広報部|Nov 4, 2026, 7:52:10 AM


 営業の提案書づくりでAIを使うなら、下書きは汎用の生成AIで作り、提出前の見直しは部長の観点を登録したAIで確かめる、という2段階に分けると使いどころがはっきりする。ヒアリングメモの整理、構成案、言い回しの調整は汎用の生成AIが得意とする作業である。一方、「部長がどこで手を止めるか」は提案書のひな形にも汎用のAIにも入っていないため、承認済みの提案書と部長の判断軸を登録したAIで確かめる。価格、契約条件、受注するかどうかの判断は、これまでどおり人が行う。

 

 


本記事では、提案書づくりの工程ごとのAIの使いどころ、下書きに使えるプロンプトの例、提出前のレビューで確かめる5つの観点、顧客情報の扱いなどの注意点を順に解説する。

 

この記事の要点

 

✓提案書づくりのAI活用は「下書きを作る」と「社内の観点で確かめる」の2段階に分けて考える
✓汎用の生成AIは、ヒアリングメモの整理、構成案、言い回しの調整に向く。数字と事実は自分で確かめる
✓差し戻しを減らすには、部長が提案書のどこを見ているかを判断軸として言葉にし、提出前に照らし合わせる
✓商談でお客様に聞かれそうな質問の洗い出しにも使える
✓お客様の名前や個人情報を入力するときのルールを、使い始める前に決めておく

 

 

提案書づくりの工程と、AIの使いどころ

 

提案書づくりを工程に分けると、AIに任せやすい作業と、社内の観点が必要な作業、人が判断すべきことが見えてくる。

 

ヒアリングの整理、構成案、本文と図表は汎用の生成AIで下書きを作り、提出前の見直しと商談の準備は社内の観点を登録したAIで確かめる。価格・契約条件・受注の判断は人が決める。 汎用の生成AIで下書き 社内の観点を登録したAIで確かめる 1 ヒアリングの整理 メモを、課題・要望・条件に分ける 2 構成案をつくる 章立てと、各章で伝えることの案を出す 3 本文・図表を書く 言い回しを整える(数字と事実は自分で確かめる) 4 提出前に見直す 部長が見る観点で、足りない点を指摘する 5 商談に備える お客様に聞かれそうな質問を洗い出す 価格・契約条件・受注するかどうかは、人が決める 図1:提案書づくりの5つの工程と、使うAIの種類
※画像はイメージです。

 

工程 AIに頼むこと 人がやること 向くAI
ヒアリングの整理 メモを、お客様の課題・要望・前提条件に分けて並べ直す 聞き漏らしがないか、お客様の言葉と合っているかを確かめる 汎用の生成AI
構成案 章立てと、各章で伝えることの案を出す お客様の優先順位に合わせて順番を決める 汎用の生成AI
本文・図表 言い回しを整える、長い説明を短くする 数字、事例、自社の実績は、社内の資料で確かめて書く 汎用の生成AI
提出前の見直し 部長が見る観点に照らして、足りない点を指摘する 指摘を直し、部長とは価格や条件を相談する 社内の観点を登録したAI
商談の準備 お客様に聞かれそうな質問を洗い出す 答えるための資料を用意し、答え方を決める 社内の観点を登録したAI

 

 

汎用の生成AIで提案書の下書きを作る

 

下書きの段階では、汎用の生成AIに「材料」と「形」を渡して、整理や言い換えを頼む。白紙から提案書を書かせるのではなく、自分のヒアリングメモや既存の資料を渡すのがポイントである。以下は依頼文(プロンプト)の例で、自社の状況に合わせて書き換えて使う。

 

| 例1:ヒアリングメモを整理する

 

以下はお客様とのヒアリングのメモです。「お客様の課題」「お客様の要望」「前提条件(予算・期限・体制など)」「まだ確認できていないこと」の4つに分けて、箇条書きで整理してください。メモにない内容は書き足さないでください。
(ここにメモを貼る)

 

| 例2:構成案を出してもらう

 

上で整理した課題に対して、当社の〇〇サービスを提案する提案書の章立てを考えてください。各章で伝えることを1〜2行で書き、お客様の課題のどれに答える章なのかも添えてください。

 

| 例3:言い回しを整える

 

次の文章を、お客様の経営層が読む提案書向けに、意味を変えずに短く整えてください。数字と固有名詞は変えないでください。
(ここに文章を貼る)

 

どの例でも、「メモにないことは書き足さない」「数字は変えない」のように、AIにしてほしくないことを書いておくと、事実と違う内容が紛れ込みにくくなる。それでも、生成AIはもっともらしい数字や事例を書くことがあるため、効果の数字、導入実績、他社の事例は、必ず社内の資料で確かめてから提案書に載せる。

 

| お客様の情報を入力する前に

 

ヒアリングメモには、お客様の社名、担当者の名前、取引の条件が含まれる。社員が個人で契約したAIサービスにそのまま入力すると、会社として入力内容を把握できない。会社として使うAIの環境と、入力してよい情報の範囲を、使い始める前に決めておく。

 

 

下書きだけでは差し戻しが減らない理由

 

汎用の生成AIで下書きが速く作れるようになっても、部長のレビューでの差し戻しが減るとは限らない。提案書のひな形にも汎用のAIにも、「自社の部長がどこで手を止めるか」は入っていないからである。足りない点がわかるのは提出したあとで、部長の側も毎回同じ指摘を重ねることになる。

 

「部長らしく見て」とAIに頼むだけでは、回答はあいまいになる。部長が重視する観点を、確かめる内容まで分けて言葉にし、承認された過去の提案書とあわせてAIに登録しておくと、提出前に同じ観点で見直せるようになる。

 

 

提出前のレビューで確かめる5つの観点

 

営業提案のレビューなら、たとえば次の5つが観点になる。観点の数と重視する順番は、部長への聞き取りをもとに会社ごとに決める。

 

観点 確かめること
顧客の課題 お客様が解決したい課題が、はっきり書かれているか
提案の根拠 提案の中身を支えるデータや事実が示されているか
実行できるか 体制、担当者、スケジュールが具体的か
効果 導入後に期待する効果と、その測り方が明確か
リスク 契約、情報管理、運用の課題が確かめられているか

 

価格の最終決定や契約条件の承認のように、AIが答えない領域もこの段階で決めておく。観点を登録したAIに提案書を見せると、次のような返答が返ってくる。

 

架空の提案書「A社 出荷業務の改善のご提案」に対し、顧客の課題は受け止めているが、30%削減の根拠と導入後の運用体制が足りないと指摘し、商談で聞かれそうな質問と参照した社内資料を示す例。 A社_出荷業務の改善のご提案_v3(架空) 判断軸に照らしたレビュー 顧客の課題 3つの困りごとを、章ごとに受け止めている ! 効果の根拠 「30%削減」の計算の前提を書き足す ! 実行できるか 導入後に誰が運用するかを、体制図で示す 商談で聞かれそうな質問 「30%は、どの作業の、何件を前提にした数字?」 参照:営業本部_提案書チェックリスト「効果の書き方」    C社向け提案書(部長承認済み) 価格や受注の判断は、部長が行う 図2:部長の観点で提案書を見直したときの返答の例
※画像はイメージです。架空の提案書と社内資料を例にしています。

 

指摘のひとつひとつに、もとにした観点と、根拠にした社内資料が付いていれば、担当者は直す場所と理由を同じ画面で確かめられる。部長との相談は、値引きの幅や受注の見きわめなど、判断の中身に時間を使えるようになる。

 

 

商談の準備にも使う

 

提案書の内容から、お客様に聞かれそうな質問を洗い出すのもAIが得意な作業である。上の例なら「30%は、どの作業の、何件を前提にした数字ですか」「導入したあと、社内では誰が運用を担当しますか」のような質問が挙がる。質問ごとに、答えるために用意しておく資料を確かめておけば、商談の場で慌てずに済む。

 

 

営業部門でAIを使い始めるときの進め方

 

やること 内容
対象を1つに絞る 新規のお客様向け提案書の事前レビューなど、くり返し発生する業務を選ぶ。使う担当者と、回答を確かめる責任者を決める
資料と閲覧範囲を整える 部長が通した過去の提案書や、提案書のチェック項目を選ぶ。お客様の個人情報は除き、個人のメールやチャットを一括で登録しない
部長に聞き取る 重視する観点、よくある指摘、例外の条件、AIが答えない領域を整理する
試して直す 回答の正確さ、根拠の適切さ、観点の漏れを部長が確かめ、判断軸と資料を見直す

 

効果は、提案書の準備にかかる時間、部長のレビューでの差し戻し、回答の根拠が資料と合っているか、担当者の評価などを、導入の前後で比べて確かめる。始める前に、いまの状態を記録しておくと判断しやすい。判断基準をAIに反映する仕組みそのものは「社内の判断基準を生成AIに反映するには?」で詳しく解説している。

 

 

注意したいこと

 

| 部長本人の発言のように見せない

 

AIが重視するのは、口調よりも「何を、どの順で確かめるか」という判断の観点である。使う目的、登録する資料、回答での言い回しは、始める前に部長本人と営業部門の責任者で合意し、回答が部長本人の発言に見えるような表示はしない。

 

| 判断はAIに任せない

 

AIが示すのは、登録された観点に照らしたレビュー案である。価格や値引き、契約条件の承認、受注するかどうかは、部長など権限を持つ人が判断する。影響の大きい相談は、最初から部長や担当者に引き継ぐ決まりにしておく。

 

 

chai+でできること

 

デフィデ株式会社が提供するchai+には、本記事の2段階それぞれに対応する使い方がある。

 

| 下書きには:chai+ 汎用AIチャット

 

chai+ 汎用AIチャットは、企業が管理できる環境で生成AIを使うためのサービスである。営業の活用場面として、提案書のドラフト作成、競合比較の整理、提案メールの文面作成が挙げられている。

 

  • GPT・Claude・Geminiなどの主要モデルを、目的に応じて切り替えて使える
  • 資料作成やメール文面などの業務ごとのプロンプトテンプレートを備えている
  • 氏名や電話番号などの個人情報、顧客名やNDA情報は、AIへ送る前に自動で検知してマスキングする(マイナンバーなどはブロック)
  • 部署・役職ごとの権限と利用ログを一元管理できる
  • 入力データはAIの学習に使われない

 

| 提出前のレビューには:営業向けのAIエキスパート

 

営業向けのAIエキスパートは、営業部長や熟練者が提案書を見るときの判断軸と、承認済みの提案書などの社内資料を登録し、担当者が提出前に提案書のレビューを受けられるようにするchai+の活用方法である。足りない点と、商談で聞かれそうな質問を、根拠の資料とあわせて示す。部長への聞き取りは60〜90分ほどで進める。登録した資料も、相談で入力した内容も、AIの学習には使わない。運営するデフィデ株式会社は、ISO/IEC 27001(ISMS)とJIS Q 15001(プライバシーマーク)の認証を受けている。AIエキスパート全体はAIエキスパートのページで紹介している。

 

 

まとめ:提案書は「AIで速く作り、社内の観点で確かめる」

 

営業の提案書づくりでは、ヒアリングの整理、構成案、言い回しの調整を汎用の生成AIに任せると下書きが速くなる。ただし差し戻しを減らすには、部長が見る観点を言葉にして登録し、提出前に照らし合わせる仕組みが要る。数字と事実は自分で確かめ、お客様の情報の扱いを先に決め、価格や受注の判断は人が行う。この前提で、まず1種類の提案書から試してみてほしい。

 

chai+の機能と導入の流れは、資料ダウンロードページから確認できる。

 

 

提案書づくりのAI活用に関するよくある質問

 

Q. 提案書はAIでどこまで作れますか?

A. ヒアリングメモの整理、構成案、言い回しの調整など、下書きの多くの作業はAIに任せられます。ただし、効果の数字、導入実績、他社の事例は、生成AIがもっともらしく書くことがあるため、必ず社内の資料で確かめてから載せてください。

 

Q. 提案書づくりに使うプロンプトのコツはありますか?

A. 白紙から書かせるのではなく、自分のヒアリングメモや既存の資料を渡し、整理や言い換えを頼むことです。「メモにないことは書き足さない」「数字は変えない」のように、AIにしてほしくないことも書いておくと、事実と違う内容が紛れ込みにくくなります。

 

Q. AIで作った提案書でも、部長に差し戻されるのはなぜですか?

A. 提案書のひな形にも汎用のAIにも、自社の部長がどこで手を止めるかが入っていないためです。部長が重視する観点を言葉にし、承認された過去の提案書とあわせてAIに登録しておくと、提出前に同じ観点で見直せます。

 

Q. 提案書のレビューでは、どんな観点を確かめればよいですか?

A. たとえば、顧客の課題、提案の根拠、実行できるか、効果、リスクの5つです。観点の数と重視する順番は、部長への聞き取りをもとに会社ごとに決めます。

 

Q. お客様の情報を生成AIに入力してもよいですか?

A. 会社として使うAIの環境と、入力してよい情報の範囲を先に決めてください。社員が個人で契約したAIサービスに入力すると、会社として入力内容を把握できません。chai+ 汎用AIチャットでは、氏名や顧客名などをAIへ送る前に自動で検知してマスキングし、入力データはAIの学習に使われません。

 

Q. 価格や受注の判断もAIに任せられますか?

A. 任せません。AIが示すのは、登録された観点に照らしたレビュー案や質問の候補までです。価格や値引き、契約条件の承認、受注するかどうかは、部長など権限を持つ人が判断します。

 

 

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