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NVIDIA GTC 2025で読み解く、生成AIと製造業DXの最前線③

作成者: chai+広報部|Apr 16, 2025 3:00:00 PM

 2025年3月17日から21日まで、米国のカリフォルニア州サンノゼで開催されたNVIDIA GTC March2025のセッションから、これからの生成AIと製造業DXに関するブログの第3回目の配信です。

 

 NVIDIA GTC March2025:https://www.nvidia.com/ja-jp/gtc/

 

 第3回目は、AI導入を成功させるための現場の巻き込み方がテーマです。

 

 

 今回は、実際にAIを導入する際の「現場の巻き込み方」について、国内外の具体的な事例を交え、使用されたAI技術やソリューションについても詳しく解説します。NVIDIA GTC 2025では、「現場が主役」のDX成功事例が数多く紹介されました。製造業のDXを進める上で、AIの導入を技術的な課題としてだけ捉えるのではなく、「現場で働く人々の理解と協力」をいかに得るかが鍵となっています。

 

 ここで、一例として国内のある自動車部品メーカーでは、品質管理工程にAI画像認識ソリューションを導入したケースです。この企業では、NVIDIA 画像認識や大規模言語モデルなどのディープラーニングを使用することを目的とした組み込み用のコンピューティングボードJetsonプラットフォームを使用しています。

 参考:https://www.nvidia.com/ja-jp/autonomous-machines/embedded-systems/

 

 加えて、AIモデルにはYOLOv8という画像認識AIを採用しました。YOLOv8はリアルタイムで画像や動画から物体を高速かつ正確に検出・分類できるAIモデルで、特に製造現場での迅速な品質チェックに適しています。最初は現場スタッフから「自分たちの仕事がAIに奪われる」という不安の声もありましたが、小規模な実証実験(PoCを通じてスタッフがAI判定後の最終確認を行うプロセスを導入。結果として作業の効率化が進み、スタッフは単純作業から解放され、より高度な業務に集中できるようになったとのことです。

 

 

 

 

 海外では、ドイツの大手製造企業ボッシュ(Bosch)が、組立ラインでのロボット操作にAIを導入した事例があります。同社では、NVIDIA Isaac Roboticsプラットフォームを活用し、リアルタイムで作業員の動きを認識してロボットの動作を最適化しているとのことです。

 参考:https://developer.nvidia.com/isaac

 

 AIモデルには強化学習を用い、スタッフとロボットの協調作業を可能にしています。導入時には、現場スタッフからのフィードバックを基に何度も改善を行い、作業の効率と安全性が飛躍的に向上したとのことです。さらに国内食品製造企業の事例では、定期的なフィードバック会議を設定。AI活用に関する意見を自由に交換できる場を作り、使用したソフトウェアとしてはMicrosoft Azure AIを活用した画像認識システムを採用しました。現場スタッフが主体的にシステムの改善案を提案し、AI導入の精度向上と使いやすさを実現しました。

 

 

 

タレントマネジメントクラウドサービス:JOB Scope

 

 また、弊社で提供しているタレントマネジメントクラウドサービスJOB Scopeには、1on1面談にAIを活用し、画像認識で表情からの感情認識、及び会話内容からのポジティブ、ネガティブ判定を行っているケースもあります。この弊社のケースでは、現場スタッフがAIを「これまでのデジタルツールの延長」と認識できたとき、DXは真の意味で動き始めます。

JOB Scope|人事制度改革プラットフォーム

 

 さらに、弊社では生成AIワークバリュー・スコア分析でエンゲージメントスコアを対話形式で行うサービスを提供しています。これをご活用いただくことで、現場スタッフの方の組織風土やエンゲージメントの見える化が図れることで、AI導入後の効果測定と改善方法の提案まで実現しています。

JOB Scope 生成AIワークバリュー・スコア分析