「AIを活用して競争力を高めたい」
そう考える企業は増えているものの、日本企業の多くはまだその第一歩を踏み出せていないのが現状です。
そこで今回は、昨年ガートナー社が実施した調査結果をもとに、日本企業が直面するAI導入に関する課題と、AI導入を成功させるためのヒントを探ります。
◆ 日本の大企業でAI専門部門を設置している割合はわずか38％
ガートナー社の2024年2月の調査によると、日本の大企業においてAI専門の部門やチームを設置している割合はわずか38％にとどまっています。一方で、海外では76％の企業がAI専門部門を持っており、日本との間に大きなギャップがあるのが現実です。
このままの状況が続けば、AIを経営戦略の中核に据える海外企業との競争において、日本企業が後れを取るリスクが高まる可能性があります。
◆ 日本企業のAI導入が進まない理由とは？
なぜ日本企業ではAI導入が進まないのでしょうか？
その理由の一つが、AIに関する知識や経験を持つ人材、特にリーダー層の不足です。AIを効果的に導入するためには、単なる技術の導入ではなく、経営や業務全体を見渡した戦略的な視点が必要になります。
ところが、多くの企業ではそのような視点を持つ人材が不足しており、さらに外部のリソースもうまく活用できていません。そのため、AIの活用が一部の部門や試験的な導入にとどまり、全社的な展開には至っていないのが現状です。
◆ AI導入を成功させるために必要なリーダーシップ
AI導入に成功している企業には、ある共通点があります。
それは、経営層や事業部門のリーダーがAIに対して強い関心と理解を持っているという点です。たとえば、ソフトバンクグループの孫正義氏はAIを経営戦略の中心に据え、全社的な取り組みを推進しています。
このように、リーダーがAIの可能性を正しく理解し、自社の成長戦略と結びつけることで、社員の意識や組織全体の姿勢も変わり、AI導入がスムーズに進むのです。
◆ AI導入がもたらす可能性
少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、AIはその課題解決の鍵として注目されています。
業務の自動化や効率化を進めることで、限られた人員でより大きな成果を上げることが期待されています。
参考：Gartner、AIへの組織的な取り組み状況に関する調査結果を発表
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